63歳の春、孫を両腕に抱いて初めて近所を歩いた日、まるで昨日のことのように覚えています。ほんの数百メートル歩いただけで息切れし、思わず膝に手をつき立ち止まりました。孫の柔らかな手がしっかりと私の指を、握ってくれたのに、「昔はもっと元気だったのに、、、」と心に陰りが差した瞬間でした。
しかし、その体験こそが、これからの人生を前向きに変える大きなきっかけになったのです。こちらは、そんな私の経験から、孫との散歩をもっと快適に、もっとたのしくするための工夫をご紹介いたします。
抱っこのコツ:体への負担を軽減するために
姿勢がすべてのカギ
慣れない頃は、つい前かがみになってしまい、帰宅後には腰や背中の痛みに悩まされました。ある日、道端であった近所のお母さんに「肩に力が入りすぎているよ」と声をかけてもらい、その場で簡単な姿勢指導を受けたのが転機になりました。
それからは、肩の力をぬいて背筋を伸ばし、胸を胸を開いてあるくことを意識しています。おかげで、10分歩いただけで感じていたあの重だるさが嘘のように軽減しました。孫を支える自身も湧いてきて、歩く時間をのびのびと楽しめるようになったのです。
抱っこ紐や工夫
何種類か抱っこ紐を使い比べてみましたが、腰ベルトと肩パッドがしっかりしているものが好みです。軽いタイプも試しましたが、長時間になるとどうしても負担が増えてしまうため、最後には自分の体型にピッタリ合うものを選びました。
最近では、買い物途中に同じ年代の方が使っている抱っこ紐を地するのが密かな楽しみです。新しいモデルを見つけるたびに、家族で話題にしています。
姿勢の切り替え・負担軽減
散歩中は、信号やちょっとした休憩ごとに、縦抱き、横抱き、左右の腕とをかえています。意識的に姿勢を切り替えることで、片側だけが疲れるのを防ぐのにとても有効です。「今日はどちらの腕が頑張ったかな?」と孫と遊び感覚で振り返るのも我が家の定番です。小さな取り組みですが、続けていると確実に体が楽になります。
食事と運動
食事のひと工夫
還暦を過ぎてから食生活を見直し、朝は、納豆ご飯とみそ汁、昼はサラダや焼き魚を中心にしています。週末は孫と一緒にスーパーに行き、新鮮な果物を選ぶのが楽しみ。サバ缶やイワシ缶は常備してあり、仕事終わりや疲れた日でも手軽に栄養を取れるので大助かりです。タンパク質とカルシウムを意識してから、以前よりも夕方の疲れが減りました。
運動習慣
運動には次のようなものがあります。長く続けるために、自分用をみつけることがたいせつです。
ストレッチ
朝一のストレッチは、天候や気分に左右されず続けられる私の健康法です。孫が

ばあば、体操タイムだよ
と声をかけてくれる日もあり、そのときは二人で体を動かします。最近は、ラジオ体操や孫の好きなダンスの動画を一緒に見ながらストレッチをして、昔の腰痛や肩こりがびっくりするほど減りました。
ウォーキング
最初は室内で足踏みから始め、最近では公園まで孫と歩くのが日課です。小さな積み重ねが大きな変化につながりました。
ポールウォーキング
ポールウォーキングを友達の勧めもありやってみました、全身を使う運動で、抱っこする力がついてきたように感じます。
痛みと向き合う・ケア
痛みが出たら、ほっておかない!ある日、公園から帰った後で腰に違和感を感じたのですが、無理せず湿布や温めで早めに対処したことで大事には至りませんでした。膝が痛むときは、お風呂上りに孫とストレッチをしたり、遠慮せずに専門家の先生に相談するようにしています。孫の笑顔のためにも、自分の体を大切にすることが一番だと感じています。
自分をいたわる時間
孫の世話で疲れを感じたら、無理なく休憩を取るようにしています。私は30分ごとに深呼吸や軽いストレッチをして、体をリセットしています。
孫と散歩をもっと楽しく、安全に
安全対策は基本
帽子や日焼け止め、水分補給は欠かせません。孫の体調や気候に合わせて、無理のない時間帯を選ぶようにしています。
発見を楽しむ
私達のお気に入りは、近くの遊歩道。春にはタンポポをさがし、夏はセミの抜け殻集めなど、季節ごとの自然を楽しんでいます。ある日、孫がこの木なんで葉っぱが赤いの?と聞いてきて、一緒に調べたことがきっかけで、紅葉の仕組みを学びました。今では、「葉っぱ博士)呼ばれています。
休憩も大切な時間
ベンチを見つけたら必ず座って、おやつを食べたり、絵本を読んだりします。こうした時間が孫との会話やふれあいの場になります。
思い出を育てる:絆を深める工夫
小さな思い出を大切に
散歩中に拾った落ち葉や小石を集めて、アルバムやコレクションを作るのも楽しい時間です。写真を撮って後から一緒に見返すのもおすすめです。
伝統をつなぐ
最近は、孫に自分が子供の頃に祖父母と楽しんだ昔ながらの遊びや歌を伝えるのが密かな楽しみです。自転車の後ろに乗せて一緒に歌ったり、普段の散歩道で季節の遊びを教えると、孫が親しみを持って成長していく様子がとても愛おしく思えます。こうして家族のきずなや記憶が日々紡がれて行くことが、今の自分の生きがいでもあります。
終わりに:孫との時間が生きがいに
孫を抱いて歩くことは、最初は大変で、しかし、良い抱っこのしかたや、日々の食事・運動を見直すことで、少しずつ楽になっていきました。そして何より、孫との時間を楽しむことが一番の原動力です。小さな手を握って歩くたびに、人生の豊かさを感じます。皆さんも自分のペースで始めてみてください。きっと、かけがえのない思い出がたくさん生まれるはずです。
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