孫育ては、祖父母にとって新たな生きがいを見つける機会であり、親世代にとっては育児の負担を軽減する重要なサポートです。
しかし、初めて孫育てに関わる祖父母にとっては、戸惑いや悩みも少なくありません。この記事では、孫育て初心者の祖父母が知っておくべき10のポイントを体験談を交えながら詳しく解説します。
育児の主役は親であることを理解する

こうしたほうがいいのでは?
「こうした方がいいのでは?」という思いは、子育て経験のある祖父母なら誰しも抱くものかもしれません。私自身も、初めて孫の世話を始めた頃、良かれと思って自分の経験から「離乳食はもっと早く始めた方が栄養がつく」「夜はもっと早く寝かせないと成長に良くない」などと、娘にアドバイスしてしまい、二人の間に微妙な空気が流れたことがあります。
特に食事のタイミングや内容については、私の時代とは考え方が大きく異なっており、娘から「今は〇〇という考え方があるんだよ」と優しく、しかしはっきりと指摘されました。
この経験から、私は「親の方針を尊重する」という姿勢を徹底することに決めました。具体的には、孫の食事の内容や時間、遊びのルール、寝かしつけの方法など、細部に至るまで事前に娘夫婦に確認し、私に求められた範囲でのサポートに留めるように心がけています。
例えば、食事の準備を手伝う際も、娘のレシピ通りに、娘の指定した食材を使うようにしています。この変化によって、娘夫婦は安心して私に孫を預けられるようになり、家族全体の雰囲気が穏やかになりました。
今では、娘夫婦から子育ての相談を受けることも増え、良好な関係を築けています。孫の健やかな成長が大切ですから、私はあくまでも、そのお手伝いをさせてもらっているという気持ちでいます。
親世代とのコミュニケーションを大切にする

会議しましょう
孫育てが、始まったばかりの頃「親子会議」とでもいうべき時間を持ちました。その際、孫の1日のスケジュール、食事や睡眠の時間、アレルギーの有無、好きな遊びなどを詳しく教えてもらい、私たちがサポート出来る事、難しい事を明確にしました。
私の友人であるAさんは、孫可愛さのあまり、娘夫婦から頼まれことを二つ返事で引き受けていたそうです。しかし、それが日常化するにつれて、娘夫婦は、「してもらって当たり前」と感じるようになり、感謝の言葉も減っていったといいます。
Aさんは、次第に負担を感じるようになり、最終的には体調を崩してしまいました。この話を聞いて、祖父母はあくまでもサポート役であり、無理のない範囲で、そして長く続けられる関わり方が重要だと改めて感じました。
具体的な情報共有としては、「おやつは午前と午後の何時に、どのようなものをあたえるか」「アレルギーのある○○は、絶対に避けるべきか」「お昼寝は何時から何時頃までか」といった細かい点まで確認しました。
また、その後もLINEのグループチャットを活用し、孫のちょっとした成長や面白い行動の写真、保育園や学校での出来事などを共有することで、日々のコミュニケーションを密にしています。このおかげで、お互いのしてほしい事のずれを防ぎ、スムーズに孫育てをすすめることができています。
孫も、保育園であったことを私に話してくれるようになり、会話が弾むようになりました。忙しい毎日の中で、チャットで手軽に孫の様子を確認できるのは、私のペースを保つうえでも非常に助かっています。
昔の子育て方法を押し付けない

昔はこうだったのになあ
祖父母世代と親世代では、子育ての方法や考え方に大きな違いがあるのは当然のことです。良かれと思って昔ながらのやり方を押し付けると、親世代との間に摩擦が生じ、関係が悪化しかねません。
私が孫育てで最初に直面したカルチャーショックは、「叱り方」についてでした。私が娘を育てた時代は、「悪いことをしたら厳しく叱る」のが当たり前でしたが、娘夫婦は「まずは子どもの気持ちに寄り添い、なぜいけないのかを丁寧に説明する」という方針でした。
「食事中に立ち歩いたらすぐに叱るべきだ」と私が言うと、娘から「今は子どもの自己肯定感を育むことが大切にされているから、頭ごなしに叱るのは良くない」と諭されました。「自己肯定感」という言葉自体、当時はまだ一般的ではなかったため、私は少し戸惑いました。
それ以来、自分の子育て経験はあくまで参考程度に留め、娘夫婦の考え方を尊重するように心がけています。
最近では、娘夫婦と子育ての価値観が近くなり、「お母さんのアドバイスはいつも的確で助かる」と言われるようになり、とても嬉しく思っています。
孫を甘やかしすぎない

かわいいと、つい!
孫に対する愛情は、祖父母にとって自然と湧き上がるかけがえのない感情です。しかし、その愛情が過剰な甘やかしにつながると、孫のわがままな成長を助長してしまう可能性があります。特に、お菓子やゲームのルール、おもちゃの買い与え方などについては、親世代の意向をしっかりと確認し、尊重することが大切です。
お菓子は娘に許可を得てから、適量を渡すように、おもちゃも本当に必要かどうかを娘に確認してからにするように心がけています。可愛い孫の笑顔を見たい気持ちは山々ですが、長い目で見ての子供の成長を考えれば、時には我慢も必要なのだと反省ました。
孫との遊び方や接し方を工夫する

こんな遊びも楽しいよ
孫との遊び時間は、お互いの距離を縮め、心を通わせる大切なひとときです。私は、孫との時間をより豊かなものにするために、様々な工夫を取り入れています。例えば、一緒に折り紙で季節の飾りや動物を作ったり、私が子どもの頃に歌った手遊び歌を教えたりしています。
近所の公園へ一緒に出かける際には、私が子どもの頃に夢中になった鬼ごっこやかくれんぼ、縄跳びなどを孫に教え、一緒に汗を流しています。このような昔ながらの遊びは、孫にとって新鮮で楽しいようで、いつも笑顔が溢れています。
これらの活動を通して、孫との間に深い信頼関係が築けたと感じていますし、娘夫婦からも「お母さんと遊ぶのが一番楽しいみたい」と感謝されることが、何よりの喜びです。
孫への愛情表現で自己肯定感を育む

よくできたね
孫の自己肯定感を育むためには、日々の愛情表現が大事です。「よくできたね」「すごいね」「頑張ったね」といった肯定的な言葉を積極的にかけ、孫の努力や成果を認め、褒めてあげましょう。その際には、「この色使いがきれいだね」「〇〇ちゃんの描く絵はいつも想像力が豊かだね」のように、具体的に褒めることで、孫は自分の才能や努力が認められたと感じ、さらに自信を深めることができます。
「ありがとう」という感謝の言葉を伝えることも、大切な愛情表現の一つです。祖父母から感謝されることで、孫は自分が役に立っていると感じ、自己肯定感を高めることができます。大人も子どもも、褒められることは嬉しいものですからね。
両親の負担軽減につながるサポート

お任せください
核家族化が進む現代において、共働き家庭にとって祖父母のサポートは非常に大きな助けとなります。急な保育園や幼稚園への送迎、子どもの急な発熱時の看病や病院への付き添いなど、両親が仕事でどうしても都合がつかない時に、柔軟に対応することで、彼らの負担を大きく軽減することができます。
特に、孫がまだ小さいうちは、急な体調不良などで病院に行く機会も多いため、大人の手が多いほど助かるものです。つい最近も、孫から娘にウイルス性の胃腸炎がうつり、娘が寝込んでしまった際には、私が数日間泊まり込みで家事全般をサポートしました。
自分自身の健康管理も忘れない

私も元気でいなくては!
孫と楽しく、そして長く関わるためには、祖父母自身の健康管理が何よりも重要です。無理のない範囲で、自分のできることを続けるために、日頃から健康に気を配りましょう。食事は、若い世代と同じように外食ばかりではなく、できるだけ自炊をして栄養バランスを考えた食事を心がけています。
孫の大好きなハンバーガーに一緒に行くこともありますが、やはり、時々はお蕎麦やお茶漬けが恋しくなりますね。でも、孫がお漬物を美味しそうにポリポリ食べているのを見るのは、何とも微笑ましいものです。
孫との思い出作り

思い出楽しいね
孫との思い出作りは、何にも代えがたい宝物です。昨年夏には、家族みんなで海へ旅行に行きました。砂浜で一緒に砂のお城を作ったり、貝殻を拾ったり、花火をしたりと、たくさんの笑顔が生まれました。
旅行のような特別なイベントだけでなく、日常の中にも思い出作りのチャンスはたくさんあります。一緒に庭で季節の花を植えたり、簡単な料理やお菓子作りに挑戦したりするのも、素晴らしい思い出になります。
孫育てから得られる喜び

生きがいです
孫育ては、祖父母にとって新たな生きがいとなり、生活に張り合いをもたらしてくれます。孫の成長を間近で見守る喜びは、何物にも代えがたいものです。また、孫との関わりを通して、新しい発見があったり、これまでとは違う視点から物事を考えられるようになったりと、自身の成長にも繋がります。
まとめ:楽しく続けるためにはバランスが大切
孫育て初心者の祖父母にとって、最初は戸惑うことも多いかもしれませんが、最も大切なのは、親世代との密なコミュニケーションと、無理のないバランスを保つことです。
親世代と交流する機会のない友人からは、「孫の成長を間近で見られて羨ましい」と言われることもあります。この貴重な機会に感謝し、焦らず、楽しみながら孫育てに関わることで、家族全員にとって幸せな結果に繋がるよう努めていきたいと思っています。
皆様も、ぜひこの記事で紹介したポイントを参考に、ご自身のペースで孫育てを楽しんでください。
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