「まさか自分がこんな目に遭うなんて…」
そう語るのは、京都府にお住まいの70代の女性、Aさんです。昨年の冬、Aさんは久しぶりに会った孫から風邪をうつされてしまいました。最初は軽い咳だと思っていたそうですが、数日後には高熱が出て、寝込んでしまったと言います。
「孫の顔を見られたのは嬉しかったけど、体力が落ちているせいか、なかなか治らなくて本当に辛かったわ。孫にも申し訳ない気持ちでいっぱいだったの」
高齢になると免疫力が低下し、感染症にかかりやすく、重症化するリスクも高まります。大切な孫や家族との触れ合いはかけがえのないものですが、感染症対策をしっかりと行うことが、自分自身と家族を守るために非常に重要です。
この記事では、祖父母世代が特に注意すべき感染症の種類や、日常生活でできる具体的な予防策、そして実際に感染症を経験された方の体験談などを交えながら、分かりやすく解説していきます。
祖父母世代は感染症に注意が必要！！
- 私たちの体には、外部からの異物（細菌やウイルスなど）から身を守る「免疫」という機能が備わっています。しかし、加齢とともに免疫機能は徐々に低下していきます。そのため、若い世代であれば軽症で済むような感染症でも、祖父母世代にとっては重症化したり、合併症を引き起こしたりするリスクが高まるのです。
- また、高血圧や糖尿病、心臓病などの基礎疾患を持っている方も多く、これらの疾患が感染症の重症化をさらに促進する可能性があります。
祖父母世代が特に注意すべき感染症はこの５つ
具体的に、祖父母世代が特に注意すべき感染症にはどのようなものがあるのでしょうか。
- インフルエンザ: 毎年冬に流行し、高熱や咳、全身のだるさなどの症状が現れます。高齢者は肺炎を合併しやすく、重症化するリスクが高いです。
- 肺炎球菌感染症: 細菌による肺炎で、高齢者の肺炎の原因として最も多いものです。発熱や咳、胸の痛みなどが現れます。
- 帯状疱疹: 子供の頃にかかった水ぼうそうのウイルスが、免疫力の低下によって再び活性化することで発症します。皮膚に痛みを伴う水疱が現れ、神経痛が長く残ることがあります。
- ノロウイルス・ロタウイルス感染症: 冬場に流行するウイルス性の胃腸炎で、激しい嘔吐や下痢を引き起こします。高齢者は脱水症状を起こしやすく、注意が必要です。
- 新型コロナウイルス感染症（COVID-19）: 引き続き注意が必要な感染症です。高齢者は重症化リスクが高く、後遺症が残る可能性もあります。
具体的な予防策は、手洗い、マスク、換気
これらの感染症から身を守るためには、日頃からの予防策が非常に大切です。具体的な対策をいくつかご紹介しましょう。
手洗い・手指消毒の徹底
外出後や食事前、トイレの後など、こまめな手洗いは感染症予防の基本です。石鹸を使い、指の間や爪の間まで丁寧に洗いましょう。流水で十分に洗い流した後、清潔なタオルやペーパータオルで拭き取ります。
外出先などで手洗いができない場合は、アルコール消毒液を活用しましょう。手指全体にしっかりと擦り込むように消毒します。
【体験談1：手洗いの習慣で風邪知らずに】
「以前はよく風邪をひいていたんですが、数年前から意識して手洗いをするようにしたんです。外出から帰ったら必ず、食事の前やトイレの後も必ず。おかげで、この冬は一度も風邪をひいていません。簡単なことだけど、本当に効果があるんだなって実感しています」（70代男性・Bさん）
マスクの着用
人混みや換気の悪い場所へ行く際は、マスクを着用しましょう。特に、咳やくしゃみなどの症状がある人がいる場合は、積極的に着用することで、飛沫感染を防ぐことができます。
マスクを選ぶ際には、自分の顔にフィットするものを選び、隙間がないように正しく装着することが大切です。使い捨てマスクは毎日交換し、布マスクはこまめに洗濯しましょう。
【体験談2：孫との触れ合いも安心に】
「孫が遊びに来るときは、お互いにマスクをするようにしています。最初は孫も嫌がったけど、『バイキンマンをやっつける魔法のマスクだよ』って言ったら、喜んでつけてくれるようになりました。おかげで、安心して孫と触れ合うことができます」（60代女性・Cさん）
適切な換気
室内の空気を清潔に保つためには、定期的な換気が重要です。1時間に1回程度、窓を開けて5〜10分程度換気を行いましょう。特に、人が集まる場所ではこまめな換気を心がけましょう。
【体験談3：換気で部屋の空気がスッキリ】
「冬場は寒くて窓を開けるのをためらっていたんだけど、最近は暖房をつけながらでも少し窓を開けて換気するようにしています。部屋の空気がこもっている感じがなくなって、気持ちが良いです」（70代男性・Dさん）
睡眠とバランスのいい食事！
免疫力を維持するためには、質の高い睡眠と栄養バランスの取れた食事が不可欠です。毎日規則正しい時間に寝起きし、7〜8時間の睡眠時間を確保しましょう。
食事は、主食、主菜、副菜をバランス良く摂ることが大切です。特に、免疫力アップに効果的なビタミンやミネラル、食物繊維などを積極的に摂るように心がけましょう。
【体験談4：食生活を見直して体調が改善】
「以前は偏食気味だったんですが、最近は野菜をたくさん摂るように心がけています。魚や肉もバランス良く食べるようにしたら、以前より疲れにくくなったように感じます」（60代女性・Eさん）
適度な運動も大事
適度な運動は、体力維持や免疫力向上に繋がります。ウォーキングや軽い体操など、無理のない範囲で毎日続けることが大切です。
外出が難しい場合は、室内でできる簡単な運動を取り入れるのも良いでしょう。
【体験談5：ウォーキングで気分もリフレッシュ】
「毎日30分程度のウォーキングを日課にしています。体を動かすと気分転換にもなるし、体調も良いです。近所の人との交流も増えて、毎日が楽しくなりました」（70代男性・Fさん）
予防接種は忘れずに
- インフルエンザや肺炎球菌感染症など、ワクチンで予防できる感染症もあります。かかりつけ医と相談し、予防接種を検討しましょう。
- 特に、高齢者や基礎疾患のある方は、予防接種による感染症予防効果が高いとされています。
【体験談6：予防接種でインフルエンザの重症化を防ぐ】
「毎年インフルエンザの予防接種を受けているおかげか、ここ数年インフルエンザにかかっても軽く済んでいます。接種しておいて本当に良かったと思っています」（80代男性・Gさん）
体調管理はしっかり！早期受診を
日頃から自分の体調の変化に注意し、少しでも異変を感じたら、早めにかかりつけ医を受診しましょう。早期に適切な治療を受けることで、重症化を防ぐことができます。
体温や血圧などを定期的に記録するのも、体調管理に役立ちます。
【体験談7：早期受診で大事に至らず】
- 「少し咳が出るなと思っていたら、だんだん息苦しくなってきたので、すぐに病院に行きました。軽い肺炎と診断されてすぐに治療を始めたおかげで、大事に至らずに済みました。我慢せずに早めに受診することが大切だと痛感しました」（70代女性・Hさん）
家族や周囲の協力も大切
祖父母世代の感染症対策には、家族や周囲の協力も不可欠です。
孫や家族からの感染を防ぐために: 体調が悪いときは、無理に祖父母に会いに行くのを控えましょう。もし会う必要がある場合は、マスクを着用するなど、感染対策を徹底しましょう。
周囲の人ができること: 高齢の家族や知人がいる場合は、日頃から体調を気遣い、買い物や病院への付き添いなど、必要なサポートを行いましょう。感染症予防に関する情報提供も大切です。
まとめ：しっかり感染症対策：健康な毎日を送ろう
今回は、祖父母世代が注意すべき感染症とその予防策について解説しました。免疫力の低下や基礎疾患のリスクなど、高齢者には感染症が重症化しやすい要因があります。しかし、日頃から手洗いやマスクの着用、適切な換気、バランスの取れた食事、適度な運動などを心がけることで、感染症のリスクを大きく減らすことができます。
大切な家族や友人との触れ合いをこれからも楽しむために、感染症対策をしっかりと行い、健康な毎日を送りましょう。もし体調に不安を感じたら、我慢せずに早めにかかりつけ医に相談してください。
- 【この記事は、高齢者の感染症予防に関する一般的な情報提供を目的としており、医学的なアドバイスを提供するものではありません。具体的な対策については、かかりつけ医にご相談ください。】
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