「最近、家族旅行に行きましたか?」仕事や家事に追われる日々の中、ふと「特別な時間を作りたい」と感じる瞬間があるのではないでしょうか。そんな時こそ、“孫旅”という選択が、思いがけない癒しと気づきを運んでくれます。
「ばあば、次はどこ行く?」と笑顔で尋ねる孫の姿が、私の旅の原動力です。
昨年、初めて三世代で箱根へ旅行した時、孫が温泉で大はしゃぎする様子や家族みんなで食べた朝ご飯のおいしさは、今でも鮮明に思い出されます。
観光地巡りだけでなく、みんなで計画を立てたり、道に迷って笑い合ったり_そんな小さな出来事が、かけがえのない家族の物語になりました。
旅の始まりは準備の時間から
「しおりづくり」が記憶になる
旅の前から、お孫さんとの時間はすでにかけがえのないもの。図書館で本を借りたり、地図を広げて「ここに恐竜博物館があるよ」と宝探しのように話し合ったり。
とくにおすすめなのが「旅のしおり」を一緒に作ること。簡単な絵やスケジュールを貼るだけでも、お孫さんの気持ちは高まります。「しおりに描いたアイス、ほんとに食べたね!」なんて会話は、何年経っても色あせない思い出になります。
旅行前の週末、孫と一緒にリビングのテーブルで「旅のしおり」を作りました。孫が「ここに恐竜博物館の写真を貼りたい!」と目を輝かせていたのがとても印象的でした。
地図を広げて「どこに行く?」と相談しながら、私自身も子どもに戻ったような気分になりました。
たとえば出発の前日には「持ち物チェックごっこ」をしてみましょう。「帽子よし!」「歯ブラシOK!」と声に出して確認するだけでも、ゲームのように楽しくなります。お孫さんが自分でリュックに荷物を詰める時間は、自立の一歩でもあります。事前に荷造りを一緒にするだけで、「これは自分の旅なんだ」という自覚が芽生えることも。
三世代で楽しむために
親世代へのおもいやりをわすれずに
お孫さんと一緒に過ごす時間はもちろん楽しいものですが、息子さんご夫婦への配慮も旅を快適にする大切なポイントです。
たとえば「午後は私が見るから、ふたりでカフェでもどう?」というように、夫婦だけの時間をつくる気遣いが喜ばれます。夜、お孫さんと一緒にお風呂に入ったり、お昼寝前に絵本を読んであげたり──その積み重ねが、「また一緒に行きたいね」という言葉につながります。
実際に旅の途中で孫が疲れてぐずった時、事前に用意しておいたお気に入りの絵本と祖母手作りのクッキーが大活躍しました。新幹線の中で「このクッキーばあばが作ったんだよ」と自慢げに話してくれたのがうれしく、家族みんなでほっこりしたひとときでした。
年齢別おすすめスポット
世代に合わせた「とっておきの場所」
【未就学児(0〜5歳)】
- アンパンマンミュージアム(全国):キャラクターと触れ合える夢のような空間。雨の日も安心。
- 那須どうぶつ王国(栃木):動物とのふれあいに加え、カピバラ温泉が大人気。
- 京都鉄道博物館(京都):電車好き必見。本物の蒸気機関車に乗れる体験も。
- 万博記念公園(大阪):自然と遊具が融合した広大なアスレチック公園。
- 子ども向け温泉宿:浴衣やキッズメニューで安心の滞在。
【小学生(6〜12歳)】
福井県立恐竜博物館に行ったとき実物大の恐竜模型の前で孫が「本当に動きそう!」とめをまるくしていたのが印象的でした。館内のワークショップで化石発掘体験もでき、親子三代で夢中になって土を掘ったのは忘れられない思い出です。伊賀流忍者博物館(三重):遊びながら学べる“忍者体験”
【中高生(13歳〜)】
- 金沢(石川):アート、美食、歴史が揃う街歩き旅。
- 直島(香川):瀬戸内の自然と現代アートが融合した島。
- 有馬温泉・六甲山(兵庫):温泉と展望台の“ちょっと大人な旅”。
旅の準備リスト
見落としがちなチェック項目
旅行日程を決める際、孫のピアノ発表会や娘夫婦の仕事の都合を何度も調整しました。
みんなの予定が合う日を見つけた時の達成感は、まるでパズルが完成したような喜びでした。
思い出を「形」に残そう
旅のあとも続く時間
旅行から帰宅後、孫と一緒に写真を選んでフォトブックを手作りしました。「この写真が一番楽しかった!」と孫が自分でコメントを書き込む姿を見て、旅の余韻を家族みんなで味わうことができました。「一番面白かったのはなに?」「もう一回行くとしたらどこ?」そんな問いかけから、お孫さんは自分のことばで“振り返る力”を身につけていきます。祖父母との関係性も、このような日常の中でより深まり、旅が“その後の時間”をも豊かにしてくれるので
おわりに──旅は「贈り物」
お孫さんとの旅は、ただのイベントではありません。それは、人生の時間の中にそっと灯る「記憶の光」です。
数年後、ふとした瞬間に「おばあちゃんと行ったあの温泉、覚えてる?」と話せるような、家族の物語になるでしょう。
無理せず、でも心をこめて。次の世代へとつなぐ“思いを旅にのせて贈ってみませんか?
「準備が大変そう…」とためらう方もいるかもしれません。でも、完璧を目指さなくても大丈夫。お孫さんの笑顔と、あなたの「やってみたい」があれば、その旅はきっと豊かなものになります。
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